第二次AIブームに代表されるエキスパートプログラムは、

  • どれだけ精密に分析したか
  • どれだけ詳細に場合分けされているか
という部分で性能が決まります。

高性能なエキスパートプログラムは非常に膨大な手間暇をかけて、深層学習に匹敵するかそれ以上の表現力を持ちますが、 低機能なエキスパートプログラムは初学者でも見よう見まねで作れるほど単純です。
そのようなノイズがAI市場には稀に紛れ込んでいるので、AIや人工知能を謳った製品はよく吟味するべきです。

今回の講座では、人工知能(AI)・機械学習手・深層学習(ディープラーニング)の違いを歴史を追いながら確認しましょう。

第一次AIブーム

1950年~1960年 探索や簡易的な推論を行うプログラムの台頭

人工知能という言葉が使われだしたのは1956年、科学者たちにより開催されたダートマス会議で誕生したと言われています。
この会議をきっかけにAI研究は活発化していきます。

単なる計算しかできなかったコンピューターが探索を行えるようになり、 チェッカーというボードゲームで世界チャンピオン倒します。

コンピューターの性能に期待が集まり、この時期はAIの春とも呼ばれます。
ただし、あくまでも人間が事細かに目的やそれに至る仕組みをプログラミングする必要がありました。

探索
互いに一手ずつ進めるゲームの探索には、想定される最大の損害が最小になるように決断を行うMinMax法やそれを改良したαβ法などがあります。

第一次AIブームの終焉

AIの土俵でしか力を発揮しなかった

人工知能の知能習得には、人間の知能を人間が明示的に論理化・体系化してあげる必要がありました。
ただ、迷路の解き方やゲームの勝利の仕方などの決められた枠組みの中で簡潔ロジカルな問題には非常に性能を発揮できました。

しかし、現実社会で実用的な問題には対処できないと指摘されて、第一次AIブームは終焉を迎えます。
知能のように見えたロジックは、人間が考える知能ほど複雑ではなく、現実に起こりえる無限の問題全てに対処出来る兆しを見せませんでした。 これをフレーム問題といい、ここまでのAIが解くことのできた問題のことを"実用性がないこと"の皮肉を込めてトイプロブレム(おもちゃの問題)といいます。

第二次AIブーム

エキスパートシステムが台頭してきたのは1980年代
一度は見切りをつけられた人工知能ですが、計算能力は本物です。

人間(専門家)の思考(判断能力)を簡易的なロジックに置き換えて、限られた枠組みの中で人工知能に模倣させようという試みがなされました。
一個一個の判断能力は元となった専門家を超すことはありませんが、圧倒的な計算量で同等以上の性能を引き出すことも可能になります。

第二次AIブームの終焉

判断力は人間を超すことはないし、人間の思考回路をプログラムするのは大変

専門家の思考回路を「もし~~ならば~~であり」という多数の条件に表現しなおす必要がありました。

これには、そもそも明確な条件がなく感覚的に行っていた動作は機械的に表現することが難しいですし、 人工知能に習得させるために人間の思考を人間の手によってプログラムすることが非常に大変でした。
さらにいえば、決められた枠組みの中でしか動かせず、想定していない事に対しては全く機能しなくなるのです。

第三次AIブーム

機械学習によって判断力を自己学習することを身に着けます。
判断と探索双方で人間を上回ることが可能になります。

機械学習が実用的な段階になり、ビックデータ(経験)から自分で学習していく人工知能が台頭します。
今まで人間が思考を簡潔に表現しなければならなかったことを、人工知能自ら行ってくれるようになります。
それに伴い、専門家の判断能力をも上回ることができるようになりました。

機械学習は、決定木分析やサポートベクターマシン、各種クラスタリング手法といった色々な学習手法が提案されています。
その中でも学習が難しいといわれていたディープラーニングの学習が確立されると、 判断の表現力に優れたディープラーニングは機械学習の代表格として躍り出ます。

猫の画像を人工知能が認識したことは今でも記憶に新しいですが、 人間がうまく人工知能に教えられないことまで、人間と同様に学習した最たる例です。

まとめ